二十二
曲則全 枉則直
窪則盈 敝則新
少則得 多則惑
是以聖人抱一 為天下式
不自見 故明
不自是 故彰
不自伐 故有功
不自矜 故長
夫唯不争 故天下莫能与之争
古之所謂曲則全者 豈虚言哉
誠全而帰之
曲なれば則ち全 枉なれば則ち直
窪なれば則ち盈 敝なれば則ち新
少なれば則ち得 多なれば則ち惑
是を以て聖人は一を抱き天下の式と為る
自ら見(しめ)さず故に明らかなり
自ら是とせず故に彰(あらわ)る
自ら伐(ほこ)らず故に功有り
自ら矜らず故に長ず
夫れ唯だ争わず故に天下能く之と争うこと莫(な)し
古の所謂(いわゆる)曲なれば則ち全とは豈に虚言ならん哉
誠は全にして而も之に帰す
- 式
- 規範、手本
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(ひとこと)とても真似できないね・・・(自嘲)
三十七
道常無為而無不為
候王若能守之万物将自化
化而欲作吾将鎮之以無名之樸
無名之樸夫亦将無欲
不欲以静天下将自定
道は常に無為にして而も為さざる無し
候王若し能く之を守らば万物将に自ずから化さむとす
化して而も作さむと欲すれば吾将に之を鎮むるに無名の樸を以てせん
夫れ無名の樸は亦将に欲すること無からむとす
欲せずして以て静かなれば天下将に自ずから定まらむとす
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- 樸
- 「素の木」の意。素樸(素朴)に通ず
十
載営魄抱一能無離乎
専気致柔能嬰児乎
滌除玄覧能無疵乎
愛民治国能無為乎
天門開闔能為雌乎
明白四達能無知乎
生之畜之
生而不有
為而不恃
長而不宰
是謂玄徳
営魄を載せ一を抱き能く離るることなからんか
気を専にして柔を致し、能く嬰児たらんか
玄覧を滌除し能く疵ならんか
民を愛し国を治め能く無為ならんか
天門開闔して能く雌たらんか
明白四達して能く無知ならんか
之を生じ之を畜う。
生じて而も有せず
為して而も恃まず
長じて而も宰せず
是を玄徳と謂う
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九(功遂身退)
持而盈之不如其已
揣而梲之不可長保
金玉満堂莫之能守
富貴而驕自遺其咎
功遂身退天之道
持して而も之を盈たすは其の已むに如かず。
揣えて而も之を梲くすれば長く保つべからず。
金玉堂に満つれば之を能く守ること莫し。
富貴にして而も驕れば自ずから其の咎を遺す。
功遂げて身退くは之れ天の道なり
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八
上善若水
水善利万物而不争処衆人之所悪
故幾於道上善若水
居善地
心善淵
与善仁
言善信
正善治
事善能
動善時
夫唯不争
故無尤
上善は水の若し。
水は善く万物を利して而も争わず、衆人の悪む所に処る。
故に道に幾(ちか)し。
居るに善く地、心に善く淵、与うるに善く仁、言に善く信、正すに善く治、事に善く能、動くに善く時。夫れ唯だ争わず。
故に尤なし。
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七
天長地久
天地所以能長且久者以其不自生
故能長生
是以聖人
後其身而身先外其身而身存
非以其無私邪
故能成其私
天は長く地は久し。
天地の能く長く且つ久しき所以は、其の自ら生きざるを以てなり。
故に能く長生す。
是を以て聖人とす
其の身を後にして而も身先んじ、其の身を外にして而も身存す。
其の私なきを以てに非ずや。
故に能く其の私を成す。
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六
谷神不死是謂玄牝
玄牝之門是謂天地之根
緜緜若存用之不勤
谷神は死なず是を玄牝と謂う。
玄牝の門是を天地の根と謂う。
緜緜として存する若く、之を用いて勤せず。
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四 (和光同塵)
道沖而用之或不盈
淵兮似万物之宗
挫其鋭解其紛和其光同其塵
湛兮似或存
吾不知誰之子
象帝之先
道は沖なれども之を用うれば或は盈(み)たず。
淵として万物の宗に似る。
其の鋭を挫き、其の紛を解き、其の光を和し、其の塵に同じうす。
湛として存する或るに似る。
吾れ誰れの子なるか知らず。
帝の先きに之れ象たり。
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三
不尚賢使民不争
不貴難得之貨使民不為盗
不見可欲使民心不乱
是以聖人之治
虚其心実其腹
弱其志強其骨
常使民無知無欲使夫知者不敢為也
為無為則無不治
賢を尚ばざれば民をして争わざらしむ。
得難き貨を貴ばざれば民をして盗を為さざらしむ。
欲すべきを見せずば民をして心乱れざらしむ。
是を以て聖人の治とす。
其の心を虚しうして其の腹を実らす。
其の志を弱くして其の骨を強くす。
民をして常に無知無欲ならしめば夫れ知者をして敢て為さざらしむ也。
無為を為さば則ち治まらざる無し。
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二
天下皆知美之為美 其悪已
皆知善之為善 其不善已
故有無相生 難易相成
長短相較 高下相傾
音声相和 前後相随
是以聖人処無為之事行不言之教
万物作焉而不辞 生而不有
為而不恃 功成而弗居
夫唯弗居 是以不去
天下皆美の美たるを知る。其れ已に悪なり。
皆善の善たるを知る。其れ已に不善なり。
故に有無相生じ、難易相成り、長短相較べ、高下相傾き、音声相和し、前後相随う。
是を以て聖人は、無為の事に処り、不言の教を行う。
万物作りて而も辞せず、生じて而も有せず、為して而も恃まず、功成りて而も居らず
夫れ唯だ居らず、是を以て去らず。
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一
道可道 非常道
名可名 非常名
無名天地之始 有名万物之母
故常無欲以観其妙 常有欲以観其徼
此両者同出而異名
同謂之玄
玄之又玄 衆妙之門
道の道とすべきは、常の道に非ず。
名の名とすべきは、常の名に非ず。
無は天地の始に名づけ、有は万物の母に名づく。
故に、無は常に以て其の妙を観(しめ)さんと欲し、有は常に以て其の徼(きょう)を観さんと欲す。
此の両者は同じ出にして而も名を異にす。
同じく之を玄と謂う。
玄のまた玄は衆妙の門なり。
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