- 2008年11月3日 (月)
きんぴかいいね
数ヶ月ぶりに車を洗い、身の回りの片付けをチョコチョコやりつつ、浅田次郎の初期作である「きんぴか」シリーズを読む。面白い、だけではない。
以下、時代遅れの○暴刑事向井権左ェ衛門の思いを代弁する元大蔵官僚のセリフ。
「無欲捨身の正義が私欲保身の権力によって葬られる。現代の不条理とはそういうことです。法律はおのずから被害者と加害者を規定する。しかしそれが真理であるとは限らない。あなたの四十年間の結論はそれです。違いますか?」(浅田次郎『きんぴか1』光文社文庫)
「女の心がわりは許せても、男の変節は許せない ——それだけのことだ」(同上)
こうしたセリフも生で聞かされると「ってやんでぇ、オイ」と茶々入れたくなるもんだが、うまい芝居のセリフなら「うんうん」聞けるもの。
ありきたりな事件事故政局をありきたりな観点から見た読み飽きられた記事ばかりの新聞なんかよりも浅田本の方が(フィクションであるにもかかわらず)よっぽど面白いし余程現実を写し取っているよなぁ、などと思いつつ、それでも毎朝新聞を読んでしまう私は、今日も(数日前も)「生徒を愚か者扱いしたトンデモ教師!」その他の見出しに向かって悪態をつく自分が只の偏屈者であることを再確認する。
- カテゴリ: 日本文学一般
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