- 2006年8月17日 (木)
スタインベック『エデンの東 下』
読了。
”east of Eden”といえばジェームス・ディーンの映画しか知らず(しかも未だに未見)、「ちょっと甘えた少年の成長物語なんだろな~」くらいに思い込んでいましたが、浅はかだったようです・・・。
主要テーマ(原型)は旧約聖書創世記の”カインとアベル”の物語。
神との約束に違背してエデンの楽園を追放された夫婦アダムとエヴァ。その間に生まれた兄弟がカインとアベル。長じて兄カインは農業を営み弟アベルは羊飼いとなる。
あるとき、兄弟は神へ捧げ物をした。カインは農作物を、アベルは子羊を。しかし神はアベルの捧げた子羊だけに目を留め、カインのそれを無視した。嫉妬に狂ったカインの怒りは、神に対してではなく弟アベルに向けられた。
カインはアベルを殺した。その事を知った神によって追放されたカインはエデンの東にあるノド(さすらい)の地に住みついた。カインの末裔は永遠にその罪を背負い続けることになる。
この原型を下敷きにして、アイルランド系移民であるスタインベック家のルーツを交えながら父と子の葛藤(親子間の葛藤というより親(父)の愛を烈しく求める息子自身の内面的葛藤)・呪われた血筋、一人一人の人間の中に併存する善と悪、等々が描かれています。
弟子の準備が調ったときに師が現われる、という意味のことわざがあるそうですが(中国だったかインドだったか失念しました)、この本を読んだ私には、書籍もまた同じようにまさに必要となったときに巡り会う、そんな気がしてなりませんでした。
この本についてはまたいずれ書いてみたいと思います。
関連エントリ:スタインベック『エデンの東 上』
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- カテゴリ: スタインベック
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